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武藤校長による『芝漬流子育て』 vol.2

『嘘』を今まで1回もついたことのない子どもは、恐らくいないのではないでしょうか。
まだまだ人生経験が少なく、問題が起きた時の解決方法がわからず、とりあえず自己保身のために嘘をついたりするのです。

お父さんお母さんに対しての嘘。
子どものついた嘘ですから、お父さんお母さんには簡単に見破られます。
そんな時『悪い子』『ずるい子』と決めつけるような叱り方は絶対にNGです。

故事に「罪を憎んで人を憎まず」という有名な言葉がありますが、
その嘘をついた「行い自体」について叱って(怒るのではなく ※前回記事参照)ください。
一過性のものですから、長い目でその子の成長を見守ってみましょう。

ごまかす嘘は人を傷つけることも

皆様の記憶にも新しいと思いますが、平昌オリンピックで活躍した日本女子カーリングチームの『そだねー』という言葉。
チームメイトが意見を述べた時の同意の言葉として流行語にもなりました。その言葉にはどんな意味が含まれているのでしょうか。

もしも、その場を取り繕うためにごまかす嘘として『そだねー』を連呼していては、
日本はメダルを獲得できていないだけでなく、チームメイト同士の絆さえ崩壊しかねます。
日本女子チームの『そだねー』には、意見に対する同意だけでなく、
その相手に敬意を表し、励まし、勇気を与える声かけの意味が含まれているのだと思います。

お子様との会話の中で、もしも「ごまかす嘘」をついているようであれば要注意です。
相手を大切に想う気持ちを持たせ、1・2年生で「ごまかす嘘」から卒業できるよう導いてください。

「ごまかす嘘」からの卒業

ではどうすれば良いのか。

大切なのは『言葉を拾い集める人になること』です。
ちょっと抽象的な表現ですが、幼稚園に入園したとき、小学校に入学したとき、良い行いをしたとき、
子どもたちはたくさんの「おめでとう」や「ありがとう」という言葉をかけられますね。

その言葉をたくさん集めた子どもは、
いつか自分からその言葉を相手に投げかけるようになります。
それはつまり、自分にとって大切な相手を思いやる気持ちの芽生えです。

その好循環によって、子どもは相手に敬意をもって接し、決してごまかすことなく本音を伝えられるようになると思います。
どんな小さなことでも、たくさんの言葉をかけ続けることが重要なのです。

言葉の大切さ

私がよく生徒に伝えている言葉があります。
「高みを目指して研鑽を積む」です。
夢を実現するために学業に励むようにという意味だけではありません。


その言葉を投げ続けることによって、生徒同士が6年間一緒に笑い、時には喧嘩し、たくさん先生に叱られ(笑)、
勉強に遊びに切磋琢磨し続けられる、つまりお互いが尊重し合い、本音で付き合える関係になって欲しいという願いを込めています。

我々教員は、そんな言葉の大切さを理解するためにコーチングの手法などの様々な外部研修を重ね、
日々の学校生活でのコミュニケーション、面談などで多くの言葉を生徒に伝えています。

学校説明会は、低学年の保護者の方も大歓迎です。生徒同士の想いのこもった「そだねー」が聞こえるかもしれませんよ。



第15代校長 武藤道郎

芝流子育てvol.1はこちら

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